2013/07/28

新旧「華麗なるギャツビー」比べ



7.3 鑑賞 @TOHOシネマズ梅田 

こちらのブログ自体久々の更新で、映画メモも久々。
鑑賞してからだいぶ経ち、世間のギャツビー熱も醒めた頃かな。
サラッとFBでメモ書きしようと思ったけど色々書き留めて
おきたいので、こちらに残しておきます。
映画以外のことも諸々書いたので、かなり長くなりました。
改めて旧作(74年版)と比較して感想書こうかと思ったら、
録画した旧作のDVDどっかいってしまったので記憶を頼りに。

新旧それぞれ善し悪しあり。簡潔な感想として、
新=ゴージャス&動、ミュージカル風エンタメ作品。
旧=新作に比べるとオーソドックスでメロドラマ風だけど、
雰囲気やファッションで20'sぽさはこっち。
ベースは一緒だけど、全然違うアプローチで楽しめた。

映像は対照的で、ハイテクで凝ってて色彩感覚が現代的な新作、
旧作はサラ・ムーンのようなノスタルジックで繊細な美しさ。
旧版はストーリーを知らず初めて見たので、後半のドロドロな
展開にちょっと戸惑ったけどサスペンスっぽくハッとした!

キャラクターとして、インパクトあったのは、
ギャツビー=新>旧、デイジー=旧>新、ニック=新>旧、
ジョーダン=新>旧、トム=旧>新 
全般的にキャラは新作の方が魅力度高かったかも。

ギャツビーは、表情や感情豊かなディカプリオが圧勝。
レッドフォードはエレガント過ぎて野心的要素が薄かった。
忘れられず思い続けたかつての恋人デイジーと再会シーンで
小学生みたいにモジ男なシャイボーイが後半は強引で
感情的になり、人格差が激しく振り幅広くて面白かった。
カッコ付けてるけど本当は不器用で人間らしいギャツビー
一面が見られて良かったし、カッコ良くはなかったけど、
多分十数年ぶりにレオくんに好感持てた。
勿体ぶって登場するこのドヤ顔のシーンは笑けた。

レッドフォードはギラギラした野心や成り上がり感がない、
とゆーか、野心家として形成過程のエピソードが少なく、
ギャツビーとデイジーの甘美なラブロマンス感が強かった。
今作はデイジーを本気で好きだったんだろうなと思いつつ、
高嶺の花であるデイジーを通し、上流社会への並みならぬ
執着が感じられた。

トビーが演じたニックも、控えめながらも存在感あって
人の良さが出てて適役(同意見の人多いと思うけど)。
サム・ウォーターストンの時は脇役感強くて、
ギャツビーの引き立て役で存在感薄かった。
ファッションはギャツビーの伊達男ファッションより
ニックのアイビーな方がキュートで好み。
ボウタイ&タンタンヘア、くりくり目でアヒル口が
Pee Wee Hermanぽくてちょっとオネエっぽかったw

デイジーの俗っぽいビッチ感はミアの方が強烈で、
切り替えの早さとか見た後の嫌悪感が強かった。
キャリーは彼女のほんわかした雰囲気のせいか、
あまり身勝手な悪女感がなく、脆くて弱い女な感じ。
その分インパクトも弱かったけど。
キャリー自身は聡明な感じがするので、もしかしたら
デイジーの雰囲気じゃないのかも。
デイジーとジョーダンは対照的なキャラなんだけど、
ジョーダンが美し過ぎて(多分女性受けする美しさかな?)
デイジーよりジョーダンの印象が強い。。

ジョーダンを演じたニューカマー、エリザベス・デビッキ♡
絶頂期の頃のウィノナ・ライダー風のルックス+
モデルのような体型で美しさを存分に見せつけ、
長身でトビーと並んで歩く姿は恋人同士と言うより、
ペットを連れ歩く飼い主な感じが面白かった。
ジョーダンの衣装はゴージャスで見応えあったけど、
デイジーの衣装は旧版の方が20sぽくて好みかも。

映画としてインパクトがあって見やすいし、
原作に沿ってギャツビーの過去が描かれて良かったけど
(実父の登場で事実を最後に持って来て泣けたのは旧作、
それぞれ見せ方が違ってどっちもいいとこある)
年代設定の点ではちょっと引っ掛かりがあった。
時代物の原作を現代風アレンジするのはこの監督の特色で、
ロミジュリ(現代のブラジルに舞台を置き換えて新鮮だった)
やムーランルージュは良い方向にアレンジされてたけど、
今作はヒップホップや重低音がクラブっぽくて、
「ジャズエイジ」なのに全然ジャズじゃないし、
20年代風にしてる現代映画という印象。
年代物を描いた作品は、その時代の雰囲気を重視しちゃう。
もう一回、旧作を見直して比較したいです。

旧作を見た時は、ヒロインのミアと20年代ファッションの
興味がメインで見てたけど、今回は原作を読んだり、
色々な媒体で豊富な情報を得た上で、世界恐慌前後の
時代背景を反映させて書かれたと意識して見たので、
感じ方も少し変わったような気がする。

村上春樹の翻訳版の原作を読み、あとがきで前半は
この作品への村上氏の熱い想いが長々と書かれてて
ほぼ覚えてないけど(とりあえずこの作品が大好きらしい)、
後半はフィッツジェラルドについて書かれていて、
彼の情報が得られたので後半の方が興味深かった。

以前は原作者フィッツジェラルド=ニックの視点という
見解で作品を見たのだけど、フィッツジェラルドの
バックグラウンドから、彼自身がニックとギャツビー
双方のモデルであり、デイジー悪妻と言われるゼルダが
投影されているようで、生活をヒントに作品を生み出す
タイプの作家だったそうです。

お嬢様育ちでフィッツジェラルドを振り回し、お金を浪費し、
執筆の邪魔をしたり、浮気したり、挙げ句に精神を煩って
心配させて、フィッツジェラルドの方が早死にして、
才能ある人を支えず好き勝手に生きた酷い女!だけど、
彼には作品のインスピレーションとして必要なミューズだった
支え合って成長するのが理想だけど、共倒れして破滅した
哀しい結果になっても、互いになくてはならない存在で
共依存だったなんて、辛いけどちょっと羨ましい関係。

ギャツビー執筆以前の若い頃から、若者向けのキャッチーな
流行作家として売れっ子だったけど、文学作品として残る
名作を作りたいと本腰入れて書いたこの作品、生前はあまり
ヒットせず、死後だいぶ経ってから世界的に評価されたそう。
名が残る大作家になって本望と思うけど、死後評価されるの
哀しいな。。もっと早く認めてあげたら良かったのに。
けどそういう人も惹かれる、ゴッホやヘンリー・ダーガーとか。

6月に東京行った時、プラダ南青山で見たギャツビー衣装展、
予想以上に見応えあって良かったです
ちなみに、ジョーダンのは今回取り寄せ出来なかったらしく残念。

ズラリと並ぶ衣装。
この人の衣装が一番好き。色やフォルム、ヘッドドレスも。
バックショットも美しい。
パーティーの客人で映画スターの設定らしいです。

このドレスこそ、旧作のデイジーのグリッターなラメドレスっぽい!

このデコラティブなヒールシューズ素敵だけど、
このデザインは20sじゃなくて現代的。
































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